「IKEA効果」という言葉をニュースで知り、税理士業務と関連させられないかな…

と思って書いてみました。

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IKEA効果とは?→あえて手間をかけさせて、感じる価値を上げる

ニュース配信サイトのGIGAZINEが以前から好きでよく読んでいるのですが、
4月頃に読んだ下記の記事がとても印象に残りました。

IKEAは今や誰もが知るスウェーデン発祥の大型家具店。
日本に1号店を構えたのが2006年なので
もう10年以上経っています。

IKEAの特徴といえば、
「家具の組み立ては基本、購入者が行う」という点。

組み立てにかかる手間を購入者が負担することで、
家具自体の値段を抑える手法は、当時から非常に話題性がありました。
(もちろん、組立不要な小さな家具もたくさんあります)

我が家の家具のうち、IKEAで買って実際に組み立てたもので
椅子、テレビボード、ソファーがあります。

いずれもそれなりの工数がかかりましたが、
イメージ重視の組み立て説明書が付属しているので、そこまでの苦労はありませんでした。
(ソファーはさすがに重たかったので、親族に協力を依頼しましたが。。。)

話がすこしズレてしまいましたが、上記のGIGAZINEの記事の中で紹介されている
「IKEA効果」とは以下のようなものだそうです。

2011年にハーバード・ビジネス・スクールやデューク大学の研究者らは、「ちょっとした労働を行わせることで、ユーザーに満足感を与え製品により高い価値を感じさせることができる」という現象についての論文を発表しました。IKEAの家具が組み立てを必要とすることから、論文中でこの効果を「IKEA効果」と名付けています。

・・・参加者らは自分が作った折り紙には20セント(約20円)以上の価格を付けている一方、ほかの参加者が作った折り紙には5セント(約5円)ほどの価格しか付けていないことがわかります。また、折り紙の専門家が折った折り紙についても入札を行ったところ、参加者は自分が折った折り紙と同等程度の価格を付けたとのこと。つまり、参加者らは自分が折った折り紙を、専門家が折った折り紙と同じくらい価値があると考えていたことが判明しました。

引用元: GIGAZINE

要するに、すでに作られて完成しているものよりも、
自分が手をかけて完成させたもののほうが、購入者は高い価値を感じやすい
という実験結果が得られた、ということ。

(ただし、その完成までの過程が複雑で難しく挫折してしまったりすると価値を感じにくい、とも
記事の下の部分で書かれています)

税理士業務との関係はどうか?

税務申告書の作成

税理士業務の中で「手を動かして作る」ものといえば、税務申告書の作成。

法人税、所得税、消費税、相続税などの申告書は、
それを作るのに必要な数値をいろんな資料から集めてきて、
また申告する際に必要な添付書類(内訳書や概況書など)も作らないといけません。

これと、上記のIKEA効果をつなげるとすれば、

「税務申告書を、お客様(=納税者本人)が作ることで、申告書に対して価値を高く感じることができるか?」

といった感じですが….

ちょっと、微妙そうですね。笑

IKEAの家具は、自分が好き好んで買うものであって、家の中に残しておくものですが、

税務申告書は、法律で作成が義務付けられているものであって、みんな好き好んで作るものでもないし、
好きで(控えを)手元に残しておくものでもない

という決定的な違いがあります。

これまで関わったお客様の中には、法人で自社内の経理部で申告書を作る(チェックは税理士)
というお客様もいらっしゃいました。
それは法人内に税務に関するノウハウを蓄積したいという目的があってのことだったので、
そういうニーズは無いわけではないと思っています。

ただ…税務申告書の作成をポジティブに考えている人はいないでしょうね。
だいたいみんな面倒くさいと思っているでしょうし、
わたしでも面倒くさいと思っています。

だからこそ、むかしからニーズがあり、仕事として依頼していただけているのですが。。

記帳代行

記帳代行についてはどうか?
(※税理士がやるケースが多いですが、けっして本業ではありません)

これは、出来上がったものに対する価値の感じ方という意味では
税務申告書の作成とそんなに変わらないかもしれませんが、

経理を自分or自社でやってもらう事、それ自体の価値は感じやすいのではないかなと思います。

自分で経理をつけることで、他人に頼むよりも
何にいくら使っているかを、詳細まで把握しやすいというのは
わたしが考える一つのメリットと考えています。
(もちろん、時間は有限ですからそれに時間を割くよりももっと重要なことはたくさんありますし、
自分でやらなければ詳細がわからないというわけでも、決してそんなことはありません)

インターネットバンキングやカード明細の自動取込み、電子マネーの連動など、
クラウド会計サービスを使えば、以前よりも遥かに簡単に
経理することが可能な時代になっていますから。

 

 

IKEA効果の記事から税理士の仕事を連想して、こんなことを思ったのでした。