従業員の福利厚生に利用されるカフェテリアプラン。

一部給与課税として扱われるものがあるので、給与計算時には注意が必要です。

■そもそも、カフェテリアプランとは

 

従業員への福利厚生の一環として、導入している企業も多いと思われるこのカフェテリアプランですが、

そもそも何なのかというと、福利厚生として様々なメニューを用意しておき、その中から従業員に自分の好きな福利厚生メニューを選んでもらって利用してもらう、という福利厚生サービスです。

例えば…

・映画や舞台のチケットを割安で購入できる

・宿泊施設に割安で泊まれる

・人間ドックの補助を受けられる

…etc

様々なものがあります。

カフェテリアプランの導入・提供を事業としてやっている会社があり、その会社によって、提供されるメニューも様々です。

一般的には、こういった専門の業者に依頼して導入を依頼するケースが多いかと思います。

 

僕が勤めている会社でも導入されています。

以前、地方に旅行に行った時に、宿の予約のために利用したことがありますが、定価で予約するよりもそこそこ安くなった記憶があります(結構前なので記憶があいまいですが…)

 

 

■経済的利益の供与として給与課税されるものがある

 

会社として、福利厚生の制度の一環として導入する際に留意したいのが、従業員のサービス利用時に、その従業員への経済的利益の供与として、給与課税されるものがあるということです。

 

お給料は通常、現金で支給する分について税金がかけられますが、

会社が従業員に対して、現金以外のもので利益を与えた場合(=経済的利益の供与と言います)、税法上はそれにも税金がかかる仕組みになっています。

 

たとえば、従業員に対して、普段の給料とは別に、1万円の商品券を手渡しで支給する場合。

普段の給料に商品券の金額を加えた金額に対して、税金が課せられます。

普段の給料の額面金額が30万円とした場合、30万円+1万円の31万円に税金が課せられるのです。

当然、この1万円分だけ余計に税金がかかるわけなのですが、その増えた税金は普段のお給料の手取り金額から減らすことになり、その月は手取り金額がいつもより少なくなります。商品券ですから、そこから税金は引けませんからね(^_^;)

 

■会社が支給した金額が経済的利益

 

このカフェテリアプランの場合、例えばチケットの割安購入(1万円の観劇チケットを4千円で購入できる)を例に挙げると、

形としては、(実際にお金は動きませんが)会社から従業員に6千円を支給し、従業員はその支給された6千円と、自分のお財布から4千円を出して、1万円のチケットを購入する、という形となります。

この会社から支給した6千円が、先ほど話した商品券1万円と同じ扱いとなり、実際に現金の支給はないものの、給与として税金がかけられます。

 

ただ、それが給与として課税されるかどうかは、従業員が利用したサービスの内容によります。

上記のような割安購入などは課税対象となりますが、例えば人間ドックの費用負担にかかるものについては、通常の従業員の健康管理の一環の補助として非課税と判断されるケースがあります。

詳細は、カフェテリアプラン導入元の会社が導入時に絶対に説明してくれると思いますので、確認するのがいいです。

 

■役員が使えてしまうと、役員給与に

 

これをもし役員の方も利用できるとなると、先ほどまで説明してきたこの経済的利益の部分は、役員給与(役員賞与)となってしまいます。

 

定期同額給与部分にはなりませんので、事前確定届出給与に該当しないような限り(ほぼないと思いますが)、法人税の計算上、損金不算入となってしまいます。

要するに、余計に税金がかかってしまうのです。

役員が使えば使うほど、会社の税負担が増えてしまいますから、

導入の際は、利用者を従業員に限定する方がいいでしょうね(^_^;)

 

 

留意点はありますが、従業員の福利厚生サービスとしてはアリだと思います。

導入の際には参考にしていただければと思います(^_^)